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国立大学法人 信州大学様

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RPA

Microsoft365による業務の見える化+効率化

業務時間を大幅に短縮、誰もがフォローできる業務へ

信州大学様の広報室では、年間150件に及ぶプレスリリース業務を行っており、業務の属人化と煩雑な手作業が課題となっていました。これらの課題を解決するために、Microsoft 365を活用した業務のデジタル化に取り組みました。広報室の職員全員が業務の進捗をリアルタイムで共有できるようになり、アラートメール機能によって進捗の停滞やリリース漏れを防止。また、原稿の共同編集やメールの自動作成等により、業務の効率化と最適化を実現しました。



国立大学法人 信州大学 様

国立大学法人信州大学

長野県内に5キャンパス8学部を展開する国立大学。地域の特性を活かした教育・研究が盛んで、地元企業・自治体・地域社会と密接に連携したプロジェクトを数多く推進。
水浄化や水由来の水素エネルギー関連の研究「アクア・リジェネレーション」は世界トップクラスの実績を持ち、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」にも採択されています。地域から世界に向けた課題解決に取り組みながら、経済成長と持続可能な社会の両立を目指しています。

導入検討の理由と当時の課題

属人化による業務の停滞と漏れが発生

信州大学様の広報室は、常勤職員3名・非常勤職員3名という少数精鋭で業務を推進されています。広報誌の制作、大学公式Webサイト・SNSの運営、プレスリリースや記者会見などのメディア対応のほか、行政からの調査回答、学内外からの問い合わせにも対応。大学から発信されるさまざまな情報の準備からリリースまでを担っています。

中でもプレスリリースは、リリース後のメディア取材を通じて、新聞・ニュース・学術誌掲載等に繋がり、大学の活動や成果を広く社会に伝える重要な業務です。学部や部局からのプレスリリース依頼は年間約150件にのぼり、その内容確認や校正のやりとりは長年に渡り手作業で行われていました。また、広報室の担当者と依頼者の間で個別のやり取りが行われやすいことから、広報室内で情報共有が確実に行われていないケースがあったことが課題となっていました。業務に慣れた職員が、他の担当者が受け持つ業務もフォローしてくれていましたが、退職したことによって、一部で配信漏れが発生するようになりました。そのため、属人化の解消と業務の効率化が喫緊の課題でした。

システム導入前の業務と課題

導入前の課題
これまでのプレスリリース業務は、依頼からリリース報告までのすべてをメールでやり取りしていました。広報室の担当者(1名)と依頼者のみのやり取りが多く、他の広報室職員がその状況を把握できていないケースもありました。そのため、担当者が不在にしている場合、依頼者からの緊急連絡に対応ができないといった問題が起きていました。また、メールや担当者の頭の中で各リリースの進捗を管理していたため、メールの返信やリリース作業の漏れも発生していました。

「こうした状況を打破するために、依頼ごとに印刷した原稿を広報室全員の目につくところに掲示し、リリース予定日をカレンダーに記入して、校正のたびに原稿を追加掲示するなど、進捗状況の共有とタスクの抜け漏れ防止のための工夫を続けていました。Excelによる進捗管理も検討しましたが、年間150件の進捗状況を都度更新するのは現実的ではありませんでした。」(渡邉様)

導入におけるポイント

「Microsoft 365×Gmail」既存のIT環境を有効活用

こうした状況の中、信州大学様からご相談いただいたのは2024年10月。既に業務に支障をきたしていたため、迅速なシステム化が求められていました。また、国立大学では職員が約3年ごとに異動することが多く、システムの引継ぎや運用のしやすさも重視されていました。

「SaaSはランニングコストがかかるだけでなく、選定や導入に時間がかかります。新たにシステムを導入するのではなく、Google WorkspaceやMicrosoft 365、UiPathなど、すでに導入しているIT環境でも実現できるのでは?と考えていました。」(渡邉様)

そこで、リンクレアでは、一連の業務をヒアリングした1週間後に、新業務のフローとデモを提示。「Microsoft365の各機能」と「長く利用されているGmail」を組み合わせたシステムをご提案しました。フォーム入力による依頼受付や、進捗の見える化・共有などのご要望に加え、依頼内容の自動反映や自動通知、原稿の共同編集ができる仕組みなどを盛り込み、スピーディかつ低コストで導入できるだけでなく、引継ぎやメンテナンスもしやすい設計としました。

システム導入後の業務フローと課題解決

導入後の業務

活用したMicrosoft365のツールと役割

Forms:アンケートフォーム作成機能による、リリース依頼の受付
Power Automate:フォームへの入力内容を各ツールに自動連携。通知や処理の自動化
Lists:チーム内の情報共有アプリ。進捗の管理・共有、リリースカレンダーの共有
共有ドライブ:リリース原稿の共有・共同編集

システムの主な仕組み

  • ・フォームで受け付けた依頼内容をGmail/共有ドライブ/Listsに自動反映
  • ・各案件の進捗はListsで管理/リリースカレンダーの自動反映
  • ・依頼発生や校了など、進捗に応じて広報室全員にメール通知
  • ・進捗停滞時やリリース当日に広報室全員にアラートメール通知
  • ・共有ドライブでの原稿の共有と共同編集
  • ・業務で必要なメールの下書きの完備/宛先や原稿の共同編集リンクの自動反映


「『こんなふうにできたら』というざっくりとした要望が、1週間後には、きれいに整ったフロー図と実際に動くデモとして返ってきて、すごく感動しました。リリースカレンダーの自動作成や、リリース原稿の編集・管理など、手作業が残ると思っていたあらゆる点が自動化された内容でした。

Microsoft365の利用は、広報室では初めてでしたが、もともと大学で契約していたツールが有効活用できるうえ、Officeユーザーにとってもなじみがあって使いやすい。Googleの場合、書式が崩れることもあるため、Microsoft 365を提案してもらってよかったと思っています。」(渡邉様)

「メインの進捗管理に利用しているListsの操作についても、Excelのように直感的に使えて、特に戸惑うことはありませんでした。ヒアリングの中でお話しした現状や悩みをすべてくみ取って下さった提案内容でした。」(佐々木様)

こうして採用が決まり、両者はイメージを共有した上で開発をスタートさせました。

導入効果

広報室全員にメールが届き、担当者でなくても進捗がわかる

広報室 室長 佐々木 千加子様

広報室
室長 佐々木 千加子様

「システムの使用感はとても良いです。必ずシステムから広報室全員に向けて『依頼がありました』『原稿を確認してください』『全員確認できました』『プレスリリース当日です』といった進捗やリマインドのメールが、都度届きます。プレスリリース以外にも多くの業務を担当しているため、わざわざシステムにアクセスしなくてもメールで進捗が把握できてとても助かっています。システムを導入したことで、担当者以外の職員も業務の流れや進捗がわかるようになり、広報室全員でフォローできるようになりました。」(佐々木様)

1日かかっていた校正業務を、最短1時間へ短縮

「これまでは、依頼が来るたびに誰かが原稿を印刷して赤入れをしていました。確認後にハンコを押して次の人へ回覧し、最終的に室長が確認して、ようやく依頼者に返信できる、昔ながらの決裁の流れであったため、1回の返信に1日、早くても半日はかかっていました。今では広報室全員が同時に赤入れできるので、早ければ1時間で返信できてしまいます。依頼者側も複数名で同時に確認できるようになったので、圧倒的に回転が速くなりました。

以前のように、やり取りのたびに新しい原稿ファイルが作成されることもなく、原稿のバージョン管理が非常に楽になりました。最新版の原稿が一目でわかり、広報室と依頼者のどちらがボールを持っているかもListsでの進捗ステータス管理により明確になりました。メール作成にかかる時間も大幅に削減しています。業務に必要なメールの下書きが、進捗管理画面からワンクリックで表示され、宛先や原稿の共同編集リンクなど、必要な情報もすべて自動反映されているため、そのまま送信できるようになりました。システムを開かない日はないくらい、日々の業務に欠かせないものになっています。」(渡邉様)

プロジェクト開始からわずか1ケ月で運用を開始

完成イメージが見えていたことで、やるべきことが明確に

広報室 主査 渡邉 悦之 様

広報室
主査 渡邉 悦之 様

「最初に、デモで完成形を見せてもらえたことが、プロジェクトをスムーズに進めることができた一番の要因だと感じています。完成イメージが最初から明確にあったことで、やるべきことが具体的になり、モチベーションにもつながりました。

また、リンクレアさんの本社は東京にあり、本学とは距離が離れているため、打合せから開発まではすべてオンラインでのやり取りでしたが、全く支障はありませんでした。週1回のミーティングで進捗や課題を確認し、日々の細かい連絡や調整はTeamsチャットを活用したのですが、何よりレスポンスが早く、それが一番有難かったです。疑問点もすぐに解決できるので、質問に対する返信を待って手が止まってしまうということもなく、集中してこのプロジェクトに取り組むことができました。

『こんなふうにできたら…』といった漠然とした要望に対しても、リンクレアさんからは常に的確な提案をいただき、安心してプロジェクトを進めることができました。」(渡邉様)

「プロジェクト開始後も真摯で迅速な対応をしていただき、当室の要望を細かく反映したシステムを短期間で構築していただきました。今朝もシステムからプレスリリースのアラートメールが届いたのですが、アラートが届いた時点でリリースの予約送信を手配すれば送信忘れもありません。本当にシステムに助けられています。」(佐々木様)

今後の展望

「プレスリリース業務から派生する業務として『HPへのニュースリリース掲載依頼』と『学内メルマガへの掲載依頼』があり、今回のシステムに統合していく予定です。一度の依頼ですべてを完結できる仕組みにすることで、学部や部局の担当者にも使いやすいシステムにしていきたいと考えています。その他、Webサイトに寄せられる問い合わせ内容の振り分けや一次回答など、効率化したいことは多くあります。」(渡邉様)

「スタッフが大勢いるわけではありませんので、手を抜くということではなく『やらなくてもいいことはやるべきではない』と考えています。今回のシステム導入では、業務が非常に楽になりました。今後もリンクレアさんのような専門家の知見を借りながら、効率的に業務を進めていければと考えています。」(佐々木様)

お客様プロフィール(取材当時/2025年5月現在)
会社名
国立大学法人 信州大学
所在地
長野県松本市旭3-1-1(松本キャンパス)
設立
1949年5月
ホームページ
https://www.shinshu-u.ac.jp/

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