特殊な要件に対応した予約管理システムを 高速開発プラットフォーム「EZCraft」を活用して、圧倒的なスピード感で実現

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車いすバスケットボールやボッチャなど多くのパラアスリートの練習場所となるパラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」。これを運営する公益財団法人 日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)様に対し、リンクレアでは「EZCraft」をベースに、予約時における重複予約の受付など、要件の特殊な予約管理システムを圧倒的なスピード感で実現。

公益財団法人 日本財団パラリンピックサポートセンター

「SOCIAL CHANGE with SPORTS」をスローガンに、一人ひとりの違いを認め、誰もが活躍できるD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)社会を実現するために、パラスポーツを軸にしたプログラムを日本全国に展開しています。また、「パラリンピックスポーツの基盤強化」をはじめ、障がい当事者と一緒に知る、学ぶ、体験するパラスポーツの教育・普及啓発事業を推進しています。(写真提供:日本財団パラリンピックサポートセンター)

導入検討の理由と当時の課題

パラアスリートの活動を支える「日本財団パラアリーナ」

一人ひとりの違いを認め、誰もが活躍できるD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)社会を実現するために、日本財団の支援のもと2015年5月に設立されたのがパラサポ様です。現在、日本財団ビル4階(東京都港区赤坂)には29のパラリンピック競技団体が入居。共同オフィスを設けて、団体間のコミュニケーションを促進する場とユニバーサルデザインを徹底した空間を、競技団体、関連団体、スタッフ、パラアスリートが共有しています。

「活動をスタートしてはじめにわかったことは、多くのパラアスリートが日常的な練習場所の確保に悩んでいるということでした。例えば、地域の体育館を利用したいと申請しても『バリアフリーに対応していない』『車いすでコートに入られては床に傷がつく』などの理由で断られることが少なくないそうなんです」

こうした状況を改善すべく、パラサポ様では東京都品川区のお台場・湾岸エリアにパラスポーツ専用体育館「日本財団パラアリーナ」の建設を決定。2018年6月にオープンさせました。この体育館にはユニバーサルデザインが取り入れられており、競技用車いすでも通行しやすいスライド扉を採用するなど、パラアスリートたちの使いやすさを追求。パラリンピック競技の日本代表の合宿やクラブチームの練習のほか、パラスポーツの魅力を伝える普及活動にも活用されています。

推進戦略部
ディレクター 金子 知史さま

予約管理が想定以上に煩雑で、運営に支障を来たす

日本財団パラアリーナは、アリーナの4区分、2つの会議室、トレーニングルームを備えており、パラリンピック競技団体、その団体に所属するクラブチーム、その他個人など登録者のみが利用できます。

「この体育館を利用するのは全競技団体のうち10団体くらいで、利用者も限られることから、当初の計画ではメールや電話で利用の申請を受け付け、Excelなどで管理すれば、受付/審査/承認といった一連の業務を回すことができると考えていました。しかしオープン直前になって、実際に受付を開始してみると、想定以上に業務が煩雑なことがわかったのです。これでは運営に支障を来たしてしまうということで急遽、予約管理システムの導入を検討することになりました」

要件が特殊で一般的な施設予約システムでは対応できない

オープンが半月後に迫り、すでに受付業務が始まっていたこともあって、システムの導入には何より「スピード」が求められました。また、もともと予定にはないシステムであることから予算化されておらず、多くのコストはかけられないという制約もありました。そして最大の問題は、一般的な施設予約のように申請を先着順で受け付ければよいというものではないという特殊性にありました。

「例えば、競技団体は1年間の計画を組んで合宿日程を設定し、施設の利用申請を行います。傘下のクラブチームは3~4カ月前に日程を組んで申請しますが、週末に利用が集中するケースが多いです。この場合、優先順位は、競技団体、クラブチーム、その他になりますが、それぞれの団体についても、公平性の観点から特定の団体に利用が偏らないよう調整を行う必要があります。そのため、申請時点ではダブルブッキングであっても受け付け、後からバランスをとって配分しているのです。こうした特殊な要件をクリアしなければならないため、一般的な施設予約システムでは、とても対応できませんでした」


(写真提供:日本財団パラリンピックサポートセンター)

リンクレアが選ばれた理由

特殊な要件を満たしつつ「迅速」「低コスト」を実現

こうした中、パラサポ様よりパラスポーツ支援コミュニティの活動で知り合ったリンクレアの担当者に相談があったのが2018年5月中旬。一連の業務をヒアリングした2日後には、高速開発を実現するクラウドプラットフォーム「EZCraft」をベースにしたモックアップが提示されました。

「利用申請者の優先順位付けや予約の重複など、一般的なパッケージ製品では対応できない特有の要件がクリアされているとともに、こちらの『迅速に』『できるだけ低コストで』という無理な要望も満たす提案をしてくれました。これがパッケージ製品に大がかりなカスタマイズを行ったり、またはフルスクラッチで開発していたりすれば、スケジュールやコストは何倍にも膨らんでしまったと思います。さらに、EZCraftはサーバー等のインフラ環境もサービスとして提供してくれていて、我々自身で環境を維持・保守する必要がないというのも決め手の一つでした」

こうして採用が決まり、両者はイメージを共有した上で開発をスタートさせました。モックアップをベースに、アジャイル的に仕様を固めながら実装する手法を採用。実際に動くものを確認しながら業務要件を固めていくことによって、認識の齟齬を未然に防ぎつつ、スピーディな開発を実現。約3週間という短期間でシステム構築を完了し、6月15日から予約管理システムの運用を開始しました。

導入効果

予約関連の業務が大幅に効率化

日本財団パラアリーナのオープン以来、10カ月で利用者は約1万人にのぼっています。その内訳は、練習が約7000名、普及イベントなどで約2000名、見学者が約1000名です。また、全国の自治体をはじめ、海外からも視察に訪れる人がいるといいます。新たな予約管理システムはこれだけの利用者を捌いているわけですが、その導入により関連業務にかかっていた業務負荷の大幅な軽減を実現しています。

「現在は一人の担当者で問題なく運用できていますし、業務の効率化によって生まれた時間で、他の業務にもあたってもらっています。ユーザーインターフェースについても、利用の申請から受付、審査、承認へと至る一連の業務の流れが視覚的にわかりやすいと好評です」

今後の展望

パラアスリートの最高のパフォーマンスを実現するために

パラサポ様のミッションの一つは、2020年の本番において、日本代表が最高のパフォーマンスを発揮できるよう支援することです。その一環として、今回の予約管理システムは日本財団パラアリーナのフル活用を支えていきます。

「大会が終わった後もパラスポーツが盛り上がっていくために礎を築きたいと考えています。そのためにはまだまだたくさんの課題がありますので、リンクレアさんには、我々の課題に対してIT面でのさまざまなサポートを期待したいですね」