株式会社 日本HP様
日本特有のビジネスに適した営業管理ツール(EZ-SalesHub)をローコードプラットフォーム「EZCraft」で構築
これまで販売チャネル・製品種別ごとにバラバラに管理されていた情報を集約。お客様に関わる全ての情報を一元的に活用できる営業管理ツールを構築しました。
株式会社日本HP様
家庭用・業務用のPC/プリンターなどの製造・販売事業を手掛けるリーディングカンパニー。1963年に日本で事業を開始し、1999年にはPCの東京生産を開始するなど、約60年間に渡り日本市場に根差した事業を推進してきました。
近年では、日本の持続的な発展の実現に向け、社会のデジタルトランスフォーメーションを推進。多様化するニーズに迅速かつ低コストで対応できる、パーソナライズした革新的なモノづくりの実現にも挑戦しています。
ビジネスチャンスを逃さないCRM/SFAシステム
「EZ-SalesHub」とは
多様なシステムと連携、エンドユーザーを起点としたビジネスチャンスを一気通貫で可視化できる
日本HP様のお客様(エンドユーザー)は、様々なチャネルから製品を購入されます。チャネルごとに存在する各種システムには、エンドユーザーのあらゆる行動データが登録されています。EZ-SalesHubはチャネルごとに分かれたシステムとAPIで連携。チャネルごとに異なるお客様の行動パターンを顧客タイプごとに一元管理することで、どのチャネルからご購入いただいてもユニークなお客様の行動パターンを把握することができます。
導入検討の理由と当時の課題
日本市場のビジネスを伸ばすには、統合的なデータ管理と活用が課題
社内のデジタルトランスフォーメーション(DX)と、eコマースを中心としたGTM(Go To Market)戦略による国内ビジネスの伸長に注力されている日本HP様。しかし、そのために必要なデータの一元化と活用が課題となっていました。日本HP様のお客様は大企業・中小企業・個人など幅が広く、販売チャネルもeコマース・コールセンターを通じた直接販売とリセールパートナー・小売店を経由した間接販売があります。また、直接・間接の両方から購入されるお客様が多い点は、他国にはないビジネスモデル。取り扱っている製品も、PC・周辺機器/プリンター・商業用印刷機と幅広いことも特徴です。
「グローバルが提供している既存システムは、ビジネス単位(直接販売/間接販売、PC/プリンター・商業用印刷機)の最適化はされていましたが、日本のビジネスモデルにはマッチしていませんでした。日本の市場でビジネスを伸ばすには、蓄積された情報を最大限に活用した効率的な顧客アプローチが重要です。営業活動と顧客に関わる全ての情報を統合的に管理し、顧客接点の機会を可視化できるCRM/SFAが必要だと考えました。」(天野本部長)
日本HP様が求めるCRM/SFAの要件
どんなシステムにも連携可能、数十万件のデータ検索も2秒で応答するハイパフォーマンスなシステム
日本のビジネスモデルに適したCRM/SFAの構想を開始したのは2018年。運用を開始するまで2年を要しました。構想段階では、バラバラに管理されていたデータを統合化し、お客様固有の情報をシームレスに追跡できるデータ構造のあり方や他システム連携のあり方を模索。幾度となくディスカッションを繰り返した天野本部長と青木部長が求めたのは、現場に根付くシステム。青木部長は当時のことをふりかえり、笑顔でこのように語った。
「うちの本部長は、何でも欲しがるんですよね。本部長が求めていたのは、すべてのユーザーがどこからでもアクセスできて、優れたユーザビリティで、何にでも繋がって、早いレスポンスで検索できるハイパフォーマンスなシステムをローコストで導入することでした。」(青木部長)
「現場で使ってもらうためには、他システム連携とパフォーマンスは必須条件でした。特に嫌でも使いたくなるという意味で、パフォーマンスはすごく重要だと考えていました。」(天野本部長)
リンクレアが選ばれた理由
パッケージでは実現できない特有の要件を実装できるEZCraftの拡張性と、長年培ったeコマースのノウハウ
多くのパッケージ・SaaSを比較検討された日本HP様。悩み抜かれた末、リンクレアを採用頂いた理由を伺いました。
「最後までCRMパッケージのカスタマイズか、リンクレアさん独自のローコードプラットフォーム『EZCraft』で開発するか相当悩みました。パッケージは早くリリースできても、我々のビジネスモデルとの親和性が低ければカスタマイズ費用がかさんでしまう。その点、直感的で分かりやすいEZCraftの利点を最大限活かせば、時間がかかっても我々のビジネスモデルに適したプロセスを作り込むことができると判断しました。」(天野本部長)
「今回、EZCraftを選択して、大正解だったと思います。我々が構想していたCRM/SFAの実現には、受注系のeコマースやマーケティング系の外部サービスと連携したビジネスプロセスの作り込みが欠かせません。そこには、日本HP独自のeコマースに関する知見・ノウハウが必要となってきます。20年近くオンラインストア「DirectPlus」の開発・保守を担当頂いているリンクレアさんの比類ないeコマースの知見・ノウハウが、御社に決めた最大の要因でした。今となって考えると、パッケージをカスタマイズするより圧倒的にコストを抑えられたと思います。」(青木部長)
導入工程におけるポイント
業務仕様を手探りで作り込む。アジャイルだからこそ短期間でブラッシュアップできた
今回のCRM/SFA構築プロジェクトは、既存のグローバルシステムでも成しえなかったことに挑戦するプロジェクトでした。明確なコンセプトはあっても、業務仕様はフワッとした状態。プロジェクトリーダーを務めた冨樫グループリーダー(以下、GL)は、構築時を振り返りこのように仰います。
「手探りで取りまとめた業務仕様を元に動作するモックを作ってもらい、ユーザーレビューで受けたフィードバックを元に修正をお願いする、その繰り返し。底抜けにあるユーザーニーズの取捨選択には苦労しましたが、うまくいった要因のひとつは、現場の意見を反映したモックを確認しながら機能実装していくプロセスがあったからだと思います。」(冨樫GL)
プロトタイピング・アジャイル開発に適したEZCraftの柔軟性と開発生産性
CRM/SFAの基盤に採用頂いた「EZCraft」は、プロトタイピングやアジャイル開発にも適したローコードプラットフォームです。今回のように試行錯誤しながら業務仕様をシステムに実装していくプロセスでは、ローコードプラットフォームの利点が最大限に発揮できたと言えます。
「とにかくテンポよくやり取りできたことが良かった。初めから100%を目指すのではなく、試行錯誤しながらシステムを作っていくことができるので分かりやすかった。結果的に無駄な時間を省略できたのは、EZCraftの利点だと思います。」(天野本部長)
「早かったですね。モックの作成をお願いすると、翌日には動作確認ができていました。モックがあるとアイデアが生まれ、イメージが固まりやすくなる。そうすることで冨樫GLはシステムのあるべき姿を固めやすくなり、リンクレアさんとの相互理解も深まった。短いサイクルでモック作成・確認・修正をしながらブラッシュアップできるプラットフォームだからこそ、我々の求めていたシステムを開発できたと思います。」(青木部長)
開発経験豊富なエンジニアの知見と技術力
これまでパッケージやSaaS導入が主流だった日本HP様。曖昧な業務仕様から現場に根付くシステムを作り上げていくには、現場の声をただ聴くだけでは実現できない。日本HP様が目指すCRM/SFAを実現するには、「真に必要な要件や業務仕様は何か」をとことん議論するプロセスが欠かせませんでした。その点において、スクラッチ開発で培ったリンクレアの知見と技術力は、日本HP様が開発パートナーに求めるものとして不可欠でした。
「スクラッチ開発に長けているリンクレアさんの知見と技術力が、我々のニーズと完全にマッチしました。社内だけだと『やらなくてはいけない。』と思い込んでしまう。『なぜそれをやるんですか?』『なぜ必要なんですか?』と、率直な質問で盲信的になっていたことに気づかされることが多かった。またCRM/SFAのポイントは『構造の異なるデータと連携しても顧客データの連続性・整合性が保たれていること』、そのために『複雑なテーブル構成と大量データを検索してもパフォーマンスを維持すること』『ユーザーでもクエリーが使えるシンプルなユーザーインターフェースにすること』でした。そんな要求の高いシステムを実現できたのは、他社での開発経験豊富なリンクレアさんだからこそだと思います。」(天野本部長)
「打ち合わせでは、無理難題をお願いしたことも多々ありました。内容によっては『それはやめた方がいい』と率直に言われたこともありました。レポート機能の実装は、相当苦労しました。整合性を保ったシステム連携と大量データを分析する弊社独自のロジックを実装できたのは、技術力の高いエンジニアさんのおかげです。今では、リンクレアさんと侃々諤々ディスカッションした機能ほど重宝しています。」(冨樫GL)
今後の展望
一部署を対象に運用を開始した当初のユーザー数は、約50名でした。EZ-SalesHubの利便性は口コミで少しずつ広がり、運用開始から2年でユーザー数は全社の約6割にあたる300名に拡大。お客様のライフサイクルに関わる営業・マーケティング・バックオフィス系・サービスサポート部門のスタッフ全員に使ってもらえるよう、外部システムとの連携や機能改善・追加を続けています
今後はクラウドへマイグレーションしているCTI(コールセンターシステム)との連携に取り組んでいきたいと話す天野本部長。 「インバウンド・アウトバウンドデータやマーケティングデータなどとも連携し、自動的に高精度な分析ができるBIを構築していきたい。さらにその次のステップとして、AIにも挑戦していきたいです。イノベーションを続けていくうえで、リンクレアさんの知見やアドバイスに期待しています。今後もパートナーとして日本HPと同じ目線・立ち位置で、ディスカッションをしながらやっていただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。」(天野本部長)
お客様プロフィール
- 会社名
- 株式会社 日本HP(英語名:HP Japan Inc.)
- 所在地
- 東京都港区港南1丁目2番70号 品川シーズンテラス21階
- 創立
- 2014年12月
- ホームページ
-
https://www.hp.com/jp-ja/home.html
公式オンラインストアHP Directplus
- 法人向け
- 個人向け