煩雑で属人的になっていた入出庫業務をローコードプラットフォーム(EZCraft)で再構築。
ボランティアスタッフの入出庫の業務負荷を大幅に削減。

認定NPO法人フードバンク関西様 ×

関西を中心にフードバンク活動を行っている認定NPO法人フードバンク関西様。
複雑で特有の入出庫業務を要件定義からご支援いたしました。「EZCraft」を活用して、最適なシステムを構築。
在庫の把握と計画的でスムーズな出庫ができるようになり、ボランティアスタッフの業務負荷を大幅に削減できました。

認定NPO法人フードバンク関西

関西を中心に“食べ物を必要とする人に食品を届け”、“誰もが食べ物を得られる社会”を目指す認定NPO法人。企業・飲食店・個人から食品の寄贈を募り、生活困窮者の支援団体を通じて食に困っている人へ“食べ物”を届ける活動を行っています。その活動は地域社会のセーフティネットのひとつとしてお互いに支えあう地域づくりに貢献しています。

入出庫業務の概要

バラつきのある入庫食品。最適な出庫にはベテランスタッフのノウハウが必要不可欠

寄贈される食品はインスタント食品・レトルト惣菜・調味料・菓子類・缶詰・冷凍食品・米・小麦粉・パン・パスタ・麺類・コーヒーなど多岐にわたります。定められた品質管理規定のもと検品・仕分け・在庫・出庫を行っています。寄贈される食品は日によって品目・数量・賞味期限にバラつきがあり、受取団体の求める食品とは必ずしもマッチしません。各受取団体への最適な出庫には、仕分けを担当するベテランボランティアスタッフのノウハウが欠かせません。

導入検討の理由と当時の課題

取扱量・受取団体数が年々増加。入出庫パターンの多様化と属人的な業務がパンク寸前の状態を招く

「フードバンク関西は、取扱量・受取団体数も多く比較的規模の大きな認定NPO団体です。社会認識の変化や、コロナ禍で増え続ける取扱量に、入出庫業務が追いつかずパンク寸前の状態でした。」そう語る中島理事長。
入出庫管理システムの刷新が必要になった経緯について、お話を聞かせていただきました。

設立当初、取扱量・支援団体数は今ほど多くはなくExcelで管理できていました。当時から紙ベースで入出庫業務を行い、データは一連の業務が終わってから一括入力していました。新聞・テレビなどでフードロス問題・貧困問題が多く取り上げられるようになり、2015年には国連サミットでSDGsが採択。日本国内における認知の広がりとともに、企業を含め社会の意識が変わってきました。結果、食品寄贈にご協力頂ける企業・団体数、個人の寄贈者数、受取団体数、取扱量が増加。フードバンクとしての社会貢献度が高まる一方で、入出庫を担当するベテランスタッフの業務は徐々に逼迫するようになりました。

コロナ禍で「食のセーフティネット」の出庫数が急増。ベテランスタッフでないと出庫ができない

2012年に開始した「食のセーフティネット」は、数日~1週間分の食品(調理を必要としない日持ちするレトルト食品や缶詰など)を届ける支援活動です。解雇・倒産により失職した方、ご家庭の事情で働けなくなった方、行政や社会福祉協議会からの支援要請は年々増加。併せてコロナ禍の影響で個人からの直接依頼で出庫した件数は、2021年度1,017件(前年度:81件)にものぼりました。
支援要請を受けてベテランスタッフが食品を仕分けして出庫。入出庫後のデータ入力ではタイムリーな実在庫の把握が難しく、仕分け業務ができるスタッフは在庫と出庫先を把握しているベテランスタッフに限られていました。増え続ける取扱量、属人的な業務運用。当然ベテランスタッフに負荷が集中し、出庫業務に支障をきたすようになりました。

入出庫のバリエーションと取扱量の増加にシステムが対応できず、入出庫業務に支障をきたす

これまで使用してきた入出庫管理システムは、ボランティアスタッフがExcelベースで開発。食品の寄贈元や受取団体ごとに入出庫の手順が異なり、バリエーションが増えるたび改修を加えて対応してきました。特に、「食品パック」は一度に約500世帯分の出庫を行います。出庫後の一括入力だとExcelの処理能力以上のデータ量となり、システムが動かなくなる事象が頻発。現在の取扱量・入出庫バリエーションに対応できるよう、システムの改修を試みましたが、これ以上の改修が不可能であると判断。
入出庫管理システムの刷新を検討するに至りました。

リンクレアが選ばれた理由

活動の意義を理解し、現場に張り付いて親身に提案してくださった

システムの刷新にあたって、多くのベンダーさんからご提案を頂きました。その他、日本フードバンク連盟から情報提供頂き検討しました。フードバンク関西へ入庫される食品と、出庫のバリエーションは多種多様。既製品では適合するシステムがなく困っていた時に、ボランティアスタッフからの紹介でリンクレアさんと出会うことができました。

理事長 中島 眞紀 様

「リンクレアさんを選んだ理由は、私たちの活動実態をよく理解していただき、すごく親身に話を聞いてくださったので、要求を伝えやすかったところです。特にリンクレアのエンジニアさんが、倉庫に張り付いて問題点を洗い出し、解決策をご提案くださった点が決め手になりました。」(中島理事長)

導入工程におけるポイント

煩雑な業務と複雑なルールを整理、トライ&エラーを繰り返し作り上げていく

「混沌としていた状況を、よくぞここまで整理していただけたなと思います。」(中島理事長)
「フードバンク関西の入出庫は、一般企業とは違い独特で複雑です。寄贈される食品は経由ごとに荷姿が異なります。個人・フードドライブからはバラが多く、企業からは箱で入庫されます。検品時、箱で入庫された食品を個包装にバラし、4つの単位(箱・袋・個数・重量)で管理。出庫時、受取団体に適した品目・量を選んで出庫するため、バリエーションが多数ありました。煩雑で属人的にやってきた入出庫業務。要件定義ではエンジニアのお二人と何度も議論を繰り返して、管理単位の簡素化、複雑だった業務バリエーションとルールの整理ができました。」(加賀城様)

ローコード(EZCraft)の利点を活かした開発。業務に適したシステムを実現

フードバンク関西様特有の入出庫業務に適したシステムを開発するためには、ご担当者との綿密な仕様確認が必要不可欠。そこで、リンクレア独自のローコード開発プラットフォーム(EZCraft)を活用した開発をご提案。EZCraftは従来のウォーターフォール開発だけでなく、プロトタイピングやアジャイル開発にも適したプラットフォームです。EZCraftをご提案した理由は、モックアップ(実際に動く画面)開発が非常にスピーディーに行える点です。一連の業務の流れをいかに整理し、いかに効率の良い業務プロセスを確立できるかが、今回のプロジェクトの肝でした。そのため要件定義の段階からモックアップを用意し、実際に動く画面を確認しながら、短いサイクルで確認・修正を繰り返して仕様を作り込むプロセスが必要であり、まさにEZCraftの強みを最大限活かせると判断しました。また、EZCraftはクラウドで開発・運用するプラットフォームです。環境維持が不要なため、少人数で運用いただける点もご提案した理由のひとつです。

ボランティアスタッフ 加賀城 俊正 様

「特殊で複雑なルール、細かい業務。開発・改善を積み重ねて最適なシステムを作り上げていく。プラットフォーム(EZCraft)の利点をいかせたと思います。トライ&エラーで業務に適したシステムを作り上げていける。それが一番のポイントでした。」(加賀城様))

お客様の声

2週間分の計画が立つようになり、経験の浅いスタッフでもスムーズな出庫が可能に

ボランティアスタッフ 前川 舞子 様

「在庫が俯瞰的に把握できるようになりました。どこへ、どの食品を、どれくらい、出庫すべきか計画が立つようになり、2週間先までの計画が立てられるようになりました。今では出庫計画と出庫指示を見れば、経験の浅いスタッフでもスムーズな仕分けができるようになり、出庫スピードが格段にあがりました。また、突発的な入庫があっても最適な受取団体へスムーズに出庫できるようになりました。感謝しかないです。」(前川様)

今後の展望

蓄積した入出庫データの活用。最適な出庫をシステムがサジェストすることを目標に

「正確な入庫処理と在庫管理ができるようになりましたが、出庫は最適な受取団体を人が判断しています。今後は蓄積された入出庫データをもとに、最適な受取団体をシステムがサジェストして出庫計画を立ててくれると、もう少し業務負荷が軽減できると思っています。更なる発展形として、受取団体さんからのアンケートとシステムデータをマッチングして、より質の高い出庫ができるようにしたいと考えています。ハードルの高い目標だと思いますが、挑戦していきたいです。」(中島理事長)
今後もリンクレアはシステム構築を通して、フードバンク関西様の業務改善および高度化を支援してまいります。

お客様プロフィール

会社名:認定NPO法人フードバンク関西
所在地:兵庫県神戸市東灘区深江本町 1丁目8-16 バレル芦屋101
創立:2003年4月(法人認定:2004年1月26日)
ホームページ:https://foodbankkansai.org/
Facebook:https://www.facebook.com/foodbankkansai
寄贈サイト:https://giveone.net/supporter/project_owner.html?owner_id=10025